蕁麻疹Dermatology
蕁麻疹とは?
蕁麻疹は、皮膚に突然現れるかゆみを伴う赤みや膨らみが特徴の皮膚疾患です。 多くの場合、数時間から1日程度で自然に消えますが、慢性的に続く場合もあります。蕁麻疹の症状は、免疫反応や刺激により皮膚内のヒスタミンが放出されることで発生します。 蕁麻疹の原因は多岐にわたり、食物や薬物、温度変化、ストレス、感染症などが関与します。一部の患者では原因が特定できない場合もあります。
蕁麻疹の種類
蕁麻疹にはいくつかの種類があります。
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急性蕁麻疹
急性蕁麻疹は、突然発生し、数時間から数日間で治まることが多いタイプです。原因としては、食物アレルギーや薬物アレルギー、感染症などが挙げられます。
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慢性蕁麻疹
慢性蕁麻疹は、6週間以上にわたり症状が続くか、再発を繰り返す状態を指します。原因が不明な場合が多いですが、自己免疫反応が関与していることがあります。
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特殊な蕁麻疹
- 寒冷蕁麻疹
- 寒さに触れることで発生します。
- 日光蕁麻疹
- 日光に当たることで症状が出ます。
- 接触蕁麻疹
- 特定の物質に皮膚が触れることで発症します。
- コリン性蕁麻疹
- お風呂上りや運動後など、発汗によって体内の温度が上昇したときに症状が出ます。
小児の蕁麻疹
小児にも蕁麻疹はよく見られます。子どもの場合、食物アレルギーやウイルス感染が原因となることが多いです。
特に乳幼児では、新しい食品を試す際に注意が必要です。また、皮膚が敏感なため、接触蕁麻疹が発生しやすい傾向があります。
小児に多い食物アレルギーの原因食材
- 牛乳
- 卵
- 小麦
- 大豆
- ナッツ類
- 魚介類
蕁麻疹の発症タイミングを精査することは重要です。
食事や薬に対するアレルギー反応は、摂取後数分から数時間以内に現れることが一般的ですが、朝起きたときや食事の前からじんましんがあった場合は、食事や薬が原因である可能性は低いことが多いです。
当院の蕁麻疹治療(アレルギー検査含む)
当院では、蕁麻疹の原因特定と適切な治療を提供しています。
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詳細な問診と診察
蕁麻疹の原因を特定するために、患者様の生活習慣や過去の病歴を詳しく伺います。
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アレルギー検査
血液検査によりアレルギーの有無を調べます。これにより、蕁麻疹の原因を特定しやすくなります。
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抗ヒスタミン薬の処方
ヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン薬を使用し、症状を効果的に抑えます。
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ステロイド治療
症状が重度の場合、短期間のステロイド治療を行うこともあります。
蕁麻疹に対する新しい薬剤の登場
近年では、慢性的な蕁麻疹症状に対して効果的な薬剤が開発されています。
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抗IgE抗体製剤(ゾレア)
ゾレア(一般名:オマリズマブ)は、IgEに結合することでアレルギー反応を抑制します。特に重症の慢性蕁麻疹に対して効果が期待されています。
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デュピクセント
特発性の慢性蕁麻疹に対する新たな注射治療として、デュピクセントが適応になりました。これは、IL-4およびIL-13のシグナルを阻害することで、炎症を抑える効果があります。
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経口BTK阻害剤(Remibrutinib)
この薬剤は、BTKカスケードを阻害し、かゆみや腫れを引き起こすヒスタミンの放出を抑えることができます。現在、慢性特発性蕁麻疹の治療において臨床試験が進行中です。
アナフィラキシーショックが起きた時は
蕁麻疹が重症化し、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性があります。この状態では、呼吸困難や血圧低下、意識障害などの生命に関わる症状が現れるため、迅速な対応が必要です。呼吸困難などのアナフィラキシーショックが疑われる場合、すぐに119番に連絡し、救急車を呼ぶようにしてください。
よくある質問(FAQ)
蕁麻疹は感染しますか?
いいえ、蕁麻疹は感染症ではありません。他人にうつる心配はありません。
どのくらいで治りますか?
急性蕁麻疹の場合、数時間から数日で自然に消えることが多いです。一方で、慢性蕁麻疹は数カ月から数年かかる場合があります。
食事制限は必要ですか?
特定の食品が原因で蕁麻疹が出る場合は、その食品を避けることが推奨されます。医師と相談の上、適切な食事管理を行いましょう。
アレルギー検査はどれくらいの時間がかかりますか?
検査内容によりますが、血液検査の場合は結果が出るまで数日かかることが一般的です。
子どもにも抗ヒスタミン薬は使えますか?
はい、子どもの年齢や体重に応じた適切な量で使用できます。当院では、安全性を最優先に考えた処方を行っています。
当院では、蕁麻疹治療に関する最新の知見を活用し、患者様一人ひとりに最適な治療を提供しています。日進市で蕁麻疹に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。