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円形脱毛症Dermatology

円形脱毛症とは?

円形脱毛症は、一生のうちに発症する確率は1.7%と報告されています。男女差はなく全年齢層に発症します。突然、円形や楕円形の脱毛斑が現れることが特徴で、本人でも気付かないうちに発症しているケースが多いです。
円形脱毛症は、頭皮だけでなく眉毛やまつ毛、ひげ、体毛など全身のあらゆる部位に発症する可能性があります。明確な原因は解明されていませんが、近年の研究により発症のメカニズムとして、自己免疫疾患が主な原因とされており、免疫系が誤って自身の毛包を攻撃することで脱毛が起こるとされています。

円形脱毛症は発症年齢に関係がないため、幼少期に発症することもあります。症状の進行は個人差があり、軽度で済むケースもあれば、脱毛の範囲が頭部全体に及ぶ全頭型や頭部以外の全身に脱毛範囲が拡大する汎発型へと進行する場合もあります。
円形脱毛症は見た目の変化が大きいため、患者の生活の質に影響を与えることが多く、精神的ストレスがさらなる悪化を引き起こす要因になることもあります。また、円形脱毛症と同時に甲状腺疾患、尋常性白斑、全身性エリテマトーデス、潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患が合併する場合があります。医療機関による適切な治療とケアが重要です。

円形脱毛症の原因

円形脱毛症の原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。

  1. 自己免疫疾患

    免疫系が誤って毛包を異物と認識し、攻撃することで脱毛が引き起こされます。Tリンパ球が毛包を攻撃することで、炎症が起こり毛の成長が阻害されます。

  2. 遺伝的要因

    家族に円形脱毛症の患者がいる場合、発症リスクが高まるとされています。特定の遺伝子変異が円形脱毛症の発症に関与している可能性が示唆されています。

  3. 精神的・身体的ストレス

    強い精神的ストレスや身体的ストレスが免疫系に影響を与え、発症の引き金となることがあります。ストレスが続くことで免疫のバランスが崩れ、円形脱毛症が発症しやすくなります。あくまでも発症原因の一因とされており、決してストレス耐性が低いから円形脱毛症を発症するわけではありません。

  4. アトピー性皮膚炎との関連

    アトピー素因を持つ方が円形脱毛症を発症しやすいことが分かっています。アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎などの疾患との関連も指摘されています。

  5. ホルモンバランスの影響

    甲状腺機能の異常やホルモンバランスの乱れも円形脱毛症の原因となることがあります。特に男性ホルモンと関連した脱毛症(AGA)との区別が必要です。

このようなお悩みはありませんか?

  • 突然、頭皮や体毛の一部が抜け落ちた
  • 何度も再発してしまい、治療が長引いている
  • 見た目の変化により人前に出るのがつらい
  • どの治療法が最適なのかわからない
  • 生活習慣を改善しても効果が見られない

このような場合、皮膚科専門医に相談し、適切な治療を受けることが大切です。円形脱毛症の治療は長期間に渡って続くケースが多いため、早期治療が重要です。

円形脱毛症の治療法

  1. ステロイド治療

    ステロイド薬は、円形脱毛症の炎症を抑えるために使用される一般的な治療です。外用薬、内服薬、皮下注射の3つの方法があります。
    皮下注射は即効性が期待できますが、長期使用には副作用のリスクがあるため、医師の指導が必要です。

  2. 紫外線治療

    紫外線治療

    紫外線(UVA)を特定の薬剤と組み合わせて照射することで、免疫反応を調整し、毛髪の再生を促進する治療法です。
    定期的な通院が必要ですが、安全で特に自己免疫疾患に対する治療効果が証明されています。当院でもエキシマランプを用いた紫外線療法を行っており、他の治療法と併用して治療を行っております。

  3. 液体窒素による冷却療法

    低温刺激を利用して毛根の活性化を促す治療法で、頭皮の血流を改善し発毛を促します。他の治療法と併用することで相乗効果が期待できます。 

  4. JAK阻害薬(オルミエント)

    JAK阻害薬(オルミエント)

    オルミエントは、自己免疫の働きを抑制することで円形脱毛症の進行を防ぐ治療薬です。2022年に重度の円形脱毛症の治療薬として承認され、特に広範囲の脱毛に対して有効性が報告されています。50%以上の脱毛をきたしている場合が適応となります。

  5. ミノキシジルの外用(自費)

    ミノキシジルは、もともと血圧を下げる薬として開発されましたが、副作用として発毛効果が確認され、現在では脱毛症治療薬としても使用されています。1日1〜2回塗布することで発毛を促進します。 

円形脱毛症の生活上の注意

生活習慣の改善が重要です。

ビタミンB群、鉄分、亜鉛、たんぱく質を豊富に含むバランスの良い食事が毛髪の成長をサポートします。また適度な運動によって血流を改善し、毛包に栄養を届けやすくすることができます。ストレス管理や十分な睡眠も重要です。
また、適切なヘアケアもポイントになります。低刺激シャンプーを使用することで頭皮の負担を減らし、健やかな環境を維持することにつながります。洗髪時には指の腹を使い、優しく血行を促進することも効果的です。

よくある質問(FAQ)

Q

円形脱毛症は自然に治ることがありますか?

A

軽度の円形脱毛症は自然に回復することもありますが、再発リスクがあるため皮膚科専門医の診察を受けることを推奨します。

Q

どの治療法が一番効果的ですか?

A

患者の症状や体質により異なります。JAK阻害薬、ミノキシジル、ステロイド治療などの選択肢がありますので、専門医と相談のうえ最適な治療法を選びましょう。

Q

円形脱毛症は再発しますか?

A

再発することがありますが、生活習慣の改善や適切な治療でリスクを減らすことが可能です。

Q

育毛剤は効果がありますか?

A

市販の育毛剤では円形脱毛症への効果は限定的ですが、ミノキシジルなどの有効成分を含むものは一定の効果が期待できます。

Q

保険適用の治療法はありますか?

A

基本的に円形脱毛症の治療は保険適用とされています。一部ミノキシジルの外用剤は保険適用外となっています。

Q

予防策はありますか?

A

バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理、十分な睡眠を心がけることで発症や再発のリスクを抑えることができます。